パリCOP21と温暖化でのフランスの立ち位置 〜 フランスワーキングホリデー | ワーキングホリデー通信
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パリCOP21と温暖化でのフランスの立ち位置 〜 フランスワーキングホリデー

【写真:Bienvunue,空港の広告看板には
COP21の物がありました.日本語の
「おいでやす」はポスト「京都議定書」
ということでの粋な計らいなのでしょう.】

12月はじめにパリ郊外でCOP21が開催されました.ニュースなどで取り上げられた話題なのでご存知の方も多いかとおもいますが,国連が開催するConference on climate changeの第21回目の会議であり,「京都議定書」以降の枠組みが焦点となっていました.ちなみに同時開催されていたCMP11というのが京都議定書執行に関する会議で,11とあるのは議定書が発効してから11回目の年会です.


パリ協定でどのような合意があったかは報道のとおりですが,京都議定書のような組別の温室効果ガス排出基準ではなく行動指針のようなものにとどまりました.次回以降,具体的な国別数値を設定するとなると大波乱となるでしょう.では「京都」ではどのような数値であったか見てみますと,1990年基準で2008-2012で世界全体で-5%,EUは-8%,日本-6%,離脱したアメリカは-7%でした.ところがEU内でもフランスの削減割り当ては0%でした.




【写真:新聞の一面は当然この話題です.】

エネルギーのうち電力源を化石燃料,特に石炭に依存しているドイツやUKには高い削減率を,一方で原子力が全電源の80%ほどあったフランスには削減枠がありませんでした.EUは温暖化防止対策,低炭素社会に推進的で,乗用車を見ても先ごろのフォルクスワーゲンスキャンダルから通して炭酸ガス排出効率至上のディーゼル推しが見えてきます.一方で,パリや大都市とその近郊で晴れた風のない空気がよどんだ日には窒素酸化物由来の光化学スモッグが発生します.



【写真:交通規制での混雑が予想されますが,
実際にはこの日の用事,,移動そのものを
あきらめた人が多かったようです.
空港アクセスはスイスイでした.】

そんなときには都市への車両通行が制限されたり,公共交通がむりょうになたり,数年前の冬には大気汚染防止名目に暖房用の暖炉が禁止されたり.今回のCOP21,あのテロ事件の直後に世界の首脳があつまる会議とあって警戒レベルは厳重でした.前日,初日にはパリと2空港につながる主要道路が完全封鎖され,公共交通も無料開放となりました.しかしテロ警戒も同時に出され,「公共交通の使用も控えるべし」と.COP21初日は結局静かな一日となりました.



2015/12/28(月) ichigo
No.5957 (フランス)

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