![]() 【写真:2014年のコーク.プライド.フェスティバル. 性的少数者(LGBT)が差別.偏見の目を持たれる ことなく,すべての人々が多様性を尊重できる 世の中にすることを目指します. (画像 Peter OToole & Diane Jefferies)】 |
去る5月22日に,アイルランドで画期的な国民投票が行われました.長らく討議されてきた「同性婚」の合法化についての投票で,国民投票によって『同性婚』の合法化を決定した国は,世界でもアイルランドが初めてのことだったのだとか.
ここ近年は2年前の2013年にフランスが同性婚を合法化したり,日本でも同性婚を現実化させようと,活発に活動されているタレントさんたちもいらっしゃるようですね!
アイルランドはご存じのように,敬虔なカトリック信者が多い国ですので,そんなことトンデモナイ!なんて人々が多いのかなあ〜と思っていたのですが,2011年からは<市民パートナーシップ法>が導入され,そして今度は,今回の男女カップルの結婚と同じ権利.扱いとなる<同性婚の合法化>に対する国民投票……とかなり革新的.
2011年から始まった<市民パートナーシップ法(Civil partnership Act)>は,同性同士パートナーでも結婚に準ずる権利を持つのですが,それでも通常の婚姻関係にある夫 婦(男女の)に比べ,養子が持てなかったり(どちらかの実子など,血縁関係があればOKだとか)など,制約されることがまだまだあったのです.
国民投票前には,「合法化にYESを!」「合法化にNO!」といった類の看板があちらこちらに立っていましたが,事前アンケートや統計によれば,同性婚の合法化がかなり優勢であるように思えました.
「合法化にNO」派の意見として多かったのは,子どもたちに関する懸念などのようで,"子どもたちには<男親>と<女親>が必要だ!"といった看板もありました.
![]() 【写真:2015年のコーク.プライド.フェスティバルは 7月27日〜8月3日まで. (画像 Peter OToole & Diane Jefferies)】 |
さて,翌日に出た結果は――『TÁ(Yes)』.62%賛成,38%反対という圧倒的な差で同性婚合法化が決定しました.特にこの"Yes"票に貢献したのは,若者層だと言われています.アイルランドでは,アイルランド国外在住のアイルランド人は,国民投票含む投票が海外で行われないため,今回の国民投票のためだけに,オーストラリアなど遠路はるばるアイルランドに一時帰国した人々が多くいたそうです.
合法化が決定した日のニュースでは,若者が多く集まり喜びの声をあげる姿がテレビ画面に映る一方,おそらく何十年も辛くて大変な想いをしてきたとみられる年配の同性カップルが,嬉し泣きをする様子もありました.今後はアイルランドでも,性別という枠に括られることがなく,結婚をすることができるようになるのですね!