![]() 【写真:パスクワの伝統菓子コロンバ.】 |
イタリアではクリスマスの次にお菓子が売れるのが復活祭だと言われています.復活祭,イタリア語でPasqua/パスクワといいますが,このパスクワはキリスト教徒のイタリア人にとってとても大切な祝日.十字架にかけられたイエス.キリストがその三日後に復活した記念日です.その復活を祝う日は春分の日の後の,最初の満月の次の日曜日と決められていて毎年日にちが変更...少々ややこしいので毎年いつがパスクワなのかは覚えられないのですが,だいたい3月後半から4月中旬までにあります.今年2015年は4月5日です.
![]() 【写真:カラフルなショーウィンドー.】 |
3月の声を聞くと町中のお菓子屋さんやスーパーなどではパスクワ用のお菓子,コロンバや卵型をしたチョコレートが売り出され,そろそろ「春が近づいてきたな〜」という実感があります.
コロンバというこのケーキは,鳩という意味ですが,平和を象徴する鳩が羽ばたいている形をしています.シンプルな発酵生地にアーモンドとあられ糖をあしらったものが一般的ですが,この間にクリームを挟んであるものや,チョコレートがけのもの,はたまた鳩の形ではないものまで様々あります.
![]() 【写真:芸術的な卵型のチョコレート.】 |
しかし,パスクワの主役といえば,やっぱり卵型のチョコレートですね.この時期は至る所で卵型のチョコレートがショーウィンドウを飾り,見るだけでも楽しくなります.手のひらサイズの小さなものから高さ1メートルぐらいはありそうな大きなものまで,また表面を砂糖菓子などで細工された美しいチョコレートや動物の形をあしらった可愛らしいものまで,本当に色々な形,色があって,見ていて飽きません.子供達にとっては,この卵型チョコレートの中に入っている「ソルプレーザ」(小さなプレゼント)を見るのも楽しみのひとつです.
![]() 【写真:色々なお菓子がならぶショーケースに釘付け.】 |
ただ毎年同じものを食べていると,だんだん飽きてくるので(飽きないで伝統を守り続けるイタリア人も多いのですが)私はいつものお菓子屋さんとは違う所を見つけたり,コロンバじゃなくて,違うタイプのケーキを買ったりして,少し味の変化をつける工夫をしています...が,結局色んなお菓子を買ってただひたすら食べ続けるパスクワには変わりありません!!そしてこの日を境に,春の気配が強まり,寒さも和らいで,どんどん夏のヴァカンスへの夢と希望を膨らませていくイタリア人たちなのです...