
パリには,小さい劇場が星の数ほどあり,夜な夜なアーティストたちが独創的なステージを繰り広げます.この日は,パリ市庁舎側にある,60席ほどで満席になる小さなテアトル(劇場)で,音楽をパローディーにする新テアトルのお披露目会でした.
このテアトルは,通りもほとんどない小道に位置し,入り口はまるで牢屋のよう.ところが,中に入ってビックリ,なんとも味のあるつくりの小さいテアトル2つがあります.この日の会場は,たった60席だからといって,あなどってはいけません.アーティストが歌う際に飛ぶつばが見えるほどの距離で見るテアトルは,とても迫力があります.これは小さいテアトルの醍醐味です.

客席に座っているお客さんを巻き込みながら,上手に場を盛り上げていきます.往年のフランスの名曲を面白おかしく,ときには本格的に歌い上げるシンガーとギタリストのステージは,臨場感に溢れ,1時間ちょっとのステージはあっという間に終ってしまいました.
パリにいる才能豊かなアーティストたちの数はとても多く,おまけに個人個人がとても独創的なステージを披露するため,実に競争が激しく,生き残りが厳しいのです.そのため,レベルはどんどん上がっているのが印象的です.アーティストを多く抱えるアートの国,そしてテアトルが日常生活にしっかりと浸透しているフランスならではです.
