年始はラファエロの聖母子を鑑賞しよう! 〜 イタリア芸術 | ワーキングホリデー通信
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年始はラファエロの聖母子を鑑賞しよう! 〜 イタリア芸術

【写真:「エステルハージの聖母」
ラファエロ 1508年の作】

すでに恒例の年末年始ミラノ市庁舎マリーノ宮での名画鑑賞.
2013年〜2014年はヴァチカンの絵画館からルネサンスの巨匠ラファエロの「フォリーニョの聖母」がやってきましたが,今回もまたラファエロの「エステルハージの聖母」がブダペスト国立西洋美術館からミラノへやってきました.



作品は1508年,ラファエロ25歳の時に描かれたもの.
残念なことに未完だと思われるのですが,後々のラファエロの優美な聖母子を思わせる筆致に魅了されます.
ラファエロはイタリア中部のウルビーノ生まれ.21歳の時にフィレンツェへやってきましたが,そのとき,ミケランジェロは29歳,レオナルド.ダ.ヴィンチは52歳.
この二人の天才の後を追うかのごとく現れたのがラファエロです.




【写真:ミラノ市庁舎マリーノ宮の入り口】

そして時のローマ教皇ユリウス2世からローマへ招かれて,あのヴァチカンでの「アテナイの学堂」などの大作に挑んでいくわけですが,この「エステルハージの聖母」は彼が大切にフィレンツェからローマへ持って行き,そこで背景の「廃墟」が追加されたと言われています.
おそらくフォロ.ロマーノの廃墟でしょう.

専門家によると,この絵は,ヨーロッパに「風景画」というジャンルがまだ確立していなかった頃の絵画としては,非常に細かな風景描写になっており,ルネサンス時代の「風景画」の幕開けのような役割を果たしているのだとか.



思った以上に小さな作品でしたが,立派な16世紀の木枠の額に入れられ,ライトが左側からあたって,聖母の顔に深い陰影を映し出すあたり,展示方法にも色々な工夫がされていて素晴らしいな〜と感じました.

1月11日まで無料公開されていますので,この時期ミラノにいてお時間がある方は是非,実物を見てみてくださいね.



2015/01/05(月) Maliarda
No.5736 (イタリア)

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