美術館のような記念墓地 〜 イタリア旅行 | ワーキングホリデー通信
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美術館のような記念墓地 〜 イタリア旅行

【写真:記念墓地入り口.】
ミラノに住んでいて,なかなか行く機会のない場所は色々とありますが,そのうちの一つ,Cimitero Monumentale/記念墓地に初めて足を踏み入れてみました.

建築家カルロ.マチャキーニが1863年から1866年にかけて建設した,イタリア統一後のミラノにおける重要な建築物の一つであり,またミラネーゼにとっても大切な場所でもあります.


【写真:マンゾーニのお墓】
念願のイタリア統一を果たし,かつ多くの犠牲を払ってきたミラノではそれまでのイタリアの歴史を必要としていました.
そこで建設されたのが,この「屋根のない美術館」の別名を持つ記念墓地です.

エクレッティズモと呼ばれる様々な様式(ビザンチン,ロマネスクやゴシック等々)を組み合わせた建築様式で,マチャキーニはそれまでのイタリアの歴史を表現しようとしました.
つまり古典芸術のリバイバルの結集です.

入り口すぐの記念廟はファメディオと呼ばれ,ラテン語からの造語であり,名声を得た(人)の廟という意味の最も重要な建物になります.

【写真:様々な彫刻で飾られたお墓】
この廟の中にはミラノを代表する作家マンゾーニのお墓やオペラで名声を得たヴェルディの胸像などが置かれています.
そして別の壁面を見ると「ミラノで活躍した有名人」ということでレオナルド.ダ.ヴィンチの名前も刻まれていました.

緑豊かな25万uに及ぶ広大な敷地内には,ミラノで名声を得た人,当時の名門貴族たちのお墓が並んで,その光景は圧巻!墓地のイメージを覆す美しい調和の取れた空間でした.


【写真:ベルノッキ家の豪華なお墓】
そしてスカラ座の指揮者として有名なトスカニーニも,その家族もここに眠っているそうです.
そしてお金に糸目をつけないベルノッキ家のお墓も素晴らしいです.
中は金のモザイクで飾られていて,ひと際豪華なお墓です.

私が見学中に,ある老婦人が立派なお墓の前で小さな写真立てにずーっと口づけをしているのを見ました.
ここはミラネーゼにとって,今も大切な家族のルーツを知る場所でもあるのです.

2010/07/09(金) Maliarda
No.3426 (イタリア)

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