イタリア政府の観光誘致作戦 〜 イタリア生活 〜 | ワーキングホリデー通信
ワーキングホリデー通信
イタリア政府の観光誘致作戦 〜 イタリア生活 〜

【写真:最後の晩餐が運ばれてゆく!】 |
毎年世界中からの観光客を受け入れているイタリアですが,ここ数年若干の「かげり」が見えてきて,そしてこの不景気とも重なり,スペインやアメリカ,中国に観光客が流れていっている今の現状.(フランスは言うに及ばず...)
しかもイタリア人自身が,其処ここに無数に散らばる文化遺産,芸術に関して「無頓着」であったりして(身近にあると,なかなか有り難みが分からなかったりするのでしょうけど)自国の文化芸術をそれほど関心を持って眺める,という事をしない事実なども発覚し,イタリア政府文化財.文化活動省による「ショック療法」観光誘致作戦が行われています.

【写真:ダヴィデ像が空を飛ぶ!】 |
まずミラノには,あのレオナルド.ダ.ヴィンチの描いた「最後の晩餐」がサンタ.マリア.デッレ.グラツィエ教会にありますが,列をなし,鑑賞するのはほぼ100%海外からの観光客(日本人,アメリカ人が大多数)のみ.
ミラネーゼで「最後の晩餐」を見た事がない人のほうが多かったりします.
そこでイタリア政府は「もし見に来ないのなら,どこかへ持って行ってしまうぞ!」と書いたポスターを用意し,「最後の晩餐」をクレーンで運び出そうとする様子が映し出されています.
フィレンツェにはミケランジェロの彫刻「ダヴィデ」像がアカデミア美術館にありますが,これも見るのは少数.
そこでまたまたポスターが登場し,ダヴィデ像が空を飛ぶ様子.

【写真:コロッセオが解体される?!】 |
ローマ帝国の遺産「コロッセオ」も,ローマの人で見た事のある人はなんと全体の30%弱という少なさ.
そこでローマでは「コロッセオ」が解体されるシーンの衝撃ポスターが作られました.
それぞれ「イタリアには素晴らしい芸術がたくさんあり,君たちが見に来るのを待っています.
そうでなければどこかへ持って行ってしまうぞ」との少々脅しの入ったフレーズが書かれて,街中に貼られているのです.
しかし...これでイタリア人たちが実際に自国の芸術品を愛でに行くか,というと...ほとんど効果なし,という感じの今日この頃.
イタリア政府のショック療法が功を成す日は来るのでしょうか??
2010/02/19(金)
Maliarda
No.3198
(イタリア)
TOPに戻る
(C)copyright 2025
ワーキングホリデー通信