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BC州教員ストライキ ようやく終了

BC州教員ストライキ ようやく終了
「公立教育を守れ!」ダウンタウンで行われた
教師&サポーター達による政府抗議集会
(c)www.cbc.ca

 9月も早いもので後半となりましたね。カナダ西海岸はここ数日23℃前後の気温が続き、夏が少し戻ってきたような感じになっています。それでも朝晩の冷え込みと、日没時間の早さで秋を実感している今日この頃です。
 さて、9月といえば日本では「二学期のスタート月」、カナダでは「新学期のスタート月」となるのですが、私が住むここブリティッシュ・コロンビア州(以下BC州)では、昨日の9月22日になってようやく「新学期開始」となりました。実はBC州では夏休み2週間前の6月16日より、BC州教師連盟(BCTF)による教員ストライキが始まり、それから3ヶ月もの間、BCTFと州政府による睨み合い(ストライキ)が続いていたのです。日本では公務員のストライキは法律で禁じられていますが、ここカナダでは公務員も労働者権利としてストライキを起こす事ができます。そして今回の教員ストライキ、あいだに2ヶ月間の夏休みを挟んではいたものの、それ以外の1ヶ月間はBC州内の全ての公立学校が休校となりました。公立学校の教育改善・予算分配にとても消極的なBC州政府(リベラル党)と、長年据え置きにされてきた昇給、並びに公立教育現場への予算増加・改善を求める教員側との争いは熾烈を極め、話し合いは平行線を辿るばかりで、なかなか子供達は学校へ戻る事が出来ませんでした。

 そして、このストライキは各方面に多大な影響を及ぼす事に。ストライキ期間中、授業を受ける事が出来なかった子供達を筆頭に、子供のデイケア探しに奔走、もしくは休職・退職を余儀なくされた保護者(カナダでは12歳以下の子供達を家で留守番させる事は違法となっています)、公立学校でのサマースクールに参加出来なくなり、母国へUターンする事となった各国の留学生たち等々です。特に中国は毎年沢山の留学生をBC州の公立学校に送っているため、教員ユニオンの解体・公立教育システムの衰退化を狙ってなかなかストライキを終わらせようとしないBC州政府に、中国政府が強く抗議したそうです。その前にも、ストライキの長期化をほのめかす「Temporary Education Support for Parents(9月2日以降のストライキ期間中、全ての12歳以下の就学児にデイケア代として1日$40を支給する、というもの)」を政府が発表し、多くの保護者から政府に対し「1日$40を支給するより、BCTFと早く折り合いをつけて1日も早く学校を再開してほしい」という批判が相次いだばかりでした。

 そんな終わりが見えなかった今回のストライキではありましたが、9月に入って三週目となった先週の火曜日、突然BCTFと州政府間での話し合いが合意に達し、ストライキの継続の有無は木曜日のBCTFメンバーの投票に委ねられる事となりました。ちなみに州政府が教員側に提案した内容は給与面では昨今のインフレ率とあわせると実質「賃下げ」とも取れる内容であり、多くの教員達はこの内容を不服としました。 が、 以前に比べて公立学校への補助は大幅に増える事となり、今回の3ヶ月間のストライキは決して無駄な事ではなかったと言う結果となりました。これで、今までパンク寸前だったクラスサイズが改善され、サポートが必要な子供達にはその子達に合ったヘルプ人員を新たに雇用する事が出来ます。これは大きな変化になるのではないでしょうか。そして運命の木曜日、教員たちによって行われた投票の結果は「ストライキ終了」でした。


 晴れて昨日からは再開となったBC州の公立学校。やはり、子供達が朝、学校に通う姿を見るのは良いものですね。学校が再開して、本当に良かったです。3ヶ月にも及んだ今回の教員ストライキ。6年後の契約更新時にまたストライキが起こるかもしれませんが、今回のように長期化だけは避けて頂きたいものです。


2014年09月23日(火) written by Saori from (カナダ)
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