ACT（キャンベラ）に行ってみよう（前半） | オーストラリア

テレビニュースの背景でお馴染み、国会議事堂。

オーストラリアの首都は？と聞かれて、大体の人は「え？シドニーでしょ？」と答えます。歴史に詳しい方なら「メルボルン」と答えるかもしれません。
オーストラリアへのワーホリや移住・留学を考えている方なら当然ご存じの通り、オーストラリアの首都はキャンベラです。
しかしシドニーがオーストラリア最大の都市であり、オペラハウスなど有名な観光スポットがシドニーにあるので、首都と考えるのも無理はありません。
ではキャンベラとは一体どういう都市なのか歴史を通して少し学んでみましょう。
キャンベラが首都として正式に決まったのは意外と最近の1908年。オーストラリアがイギリスから独立したのが1901年から最初の７年間は実は首都はメルボルンでした。
もともとオーストラリアはアボリジニの土地で、西洋文明の歴史が浅い国ですから、昔からほぼ単一民族国家として歴史のある日本からすると、不思議な感じもしますね。オーストラリアが独立した国として成立したのはごく最近の話なんですね。

緑の多いキャンベラの街並み。

そしてオーストラリアは独立時に首都を決めようという話になったのですが、それまでにある程度州というしくみが形成されていてどの州も自分が首都になりたくて仕方なかった。とくに当時臨時首都として栄えていたメルボルンと、ものすごい勢いで植民最大都市として成長するシドニーの間はまさに犬猿の仲。お互い首都の座を狙って諦めがつきません。これではどうしようもないなと行き詰ったので、メルボルンとシドニーの中間地点を首都として、そこに街を作ってしまおう！となりました。つまりはもともと栄えた町を首都にしたのではなく、とある田舎町を首都にしてしまえ！と計画都市として誕生したのです。
そこから国会議事堂、高等裁判所など行政を行うのに必要な建物を建設し首都として形作られて行きました。ちなみにキャンベラはACT（オーストラリア首都特別地域）としてNSW州の中にありながら、別地区として区切られていますが正式な「州」ではありません。
余談ですが、ノーザンテリトリーとACTは正式には州とは違う扱いで、地方自治がありほぼ州として機能しながらも、国会を最高行政機関としていますが、他州には国会から干渉を受ける範囲が定められていてそれ以外の範囲では完全自治を行うことができます。
さて、そんな首都になるべくして作られた街、キャンベラですが、どんなところ？観光はどうするの？といった疑問を次回取り上げたいと思います。