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システィーナ礼拝堂

システィーナ礼拝堂
システィーナ礼拝堂『天地創造』
3月12日からコンクラーベ(ローマ教皇選出会議)が始まり、会場であるシスティーナ礼拝堂が5日から一般公開が中止され、準備にあてられています。
このシスティーナ礼拝堂の天井画『天地創造』が、昨年10月に完成500年記念を迎えました。

1512年に、37歳の働き盛りであったミケランジェロがジュリオ二世の依頼で描いたこの天地創造。
前教皇ベネディクト16世がシスティーナ礼拝堂でミサを捧げて作品に敬意を表したのは、つい最近の事だったのに・・・

システィーナ礼拝堂
・ペルジーノ『ペテロへの鍵の授与』
しかし1年間に500万人もの見物者を迎えるシスティーナ礼拝堂のフレスコ画の数々は危機に瀕しているそうです。
地球温暖化、大気汚染など色々とフレスコ画を蝕む原因はありますが、実は増え続ける入場者が持ち込む埃や二酸化炭素により多大な損害をも受け続けているのだとか。
なんと1日10,300人以上が礼拝堂に入場している計算になるようです。
この礼拝堂にはミケランジェロだけでなくボッティチェッリにペルジーノ、ギルランダイオなどの傑作も一堂に会していますが、それらの「人類の遺産」を守るために数ヶ月後にはシスティーナ礼拝堂への入場者を大幅に制限する策が講じられています。
(こうして偉大なる芸術作品を見る機会や時間が制限されて減っていくのは辛いことですね・・・)

システィーナ礼拝堂
ギルランダイオ『使徒の召命』
「過去に製作されたこれらの芸術品に比類するものはもう生まれないであろう。
現代の私たちは新たなミケランジェロもラファエロも持つことはないであろう」と語るのは修復士だった故ウルバーニ氏。
さらに「しかしこれらの人類の遺産の保存のためならば、我々は創造力と知力を駆使して過去の偉人に劣らない道を開けるはずである。
なぜなら現代の私たちが持つ科学や技術の力は、こうした努力に大きな力となるはずである」ともニュースの中で語っていらっしゃいました。

美術の修復技術では最高を誇るイタリアも、その財源の確保と美術品の保護のバランスの難しさに常に頭を抱えている状況からは、なかなか抜けられそうもありません。

2013年03月15日(金) written by Maliarda from (イタリア)
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