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ニカブで登校禁止の校則

ニカブで登校禁止の校則
Photo:FRED DUFOUR
先日ユラン半島のオーフスの成人教育学校にて、イスラム教徒の女性が着用する目だけ出すタイプの服ニカブが禁止されたことを受けて、デンマーク国内ではちょっとした論争となっています。
イスラム教徒が増えてきているデンマークで一番よく目にするのは、スカーフを被ったへジャブと呼ばれるものですが、今回禁止となったのは、厳格なイスラム教徒,特にソマリアからの移民に見られるタイプのニカブというものです。色はほとんどが黒であり、日本の黒子に似た容姿です。

デンマーク国内でニカブを着用している人数は、100人前後と少ないものの、たまに目にすることがありドキっとする人もいるのではないでしょうか。何を隠そう私も、イラン女性によく見られる顔以外すっぽり覆い隠すチャドルと呼ばれるものならまだしも、目だけしか見えない(しかもそれもたまに線となって、遠目には黒一色しか見えないものも多い)ニカブはどうしても目がいってしまうのですが…。ちなみにタリバン政権下のアフガニスタンで見られる青いブルカ姿の人は、デンマークでは見た事はありません(当たり前ですが)。

今回学校でのニカブ禁止となった一端は、学生が授業にニカブ姿で出てきたので教師がその生徒を帰したということ。その後その学校でニカブ禁止の校則ができてしまったという訳です。

以前の私は無知だったので、ブルカやニカブは女性の権利を抑制する象徴だとして、『着用させられている』というイメージを持っていました。でも現在私の通う成人学校にもニカブ姿の人がいて、彼女は普通に授業に出て発言もよくする明るい良い子。見た目に反してとてもオープンなので、思い切ってどうしてニカブを着ているのか聞いたら、その返事は意外なものでした。
『ニカブを着ているのは自分の意志。これにくるまれていると守られている感じがして心地良いんだ』と。

まったく予想外の答えを聞いて、今まで『男性が女性に無理矢理着せているもの』だとばかり思っていた私は面食らったものです。

勉強がしたくて来ているのに、服装で拒否されてしまうのはいかがなものなのか。一方、教師はどの生徒が出席しているかを知る権利があり、ニカブ着用ではその生徒がどうかわからないという主張も理解できます。

その騒動があってから、偶然なのか彼女を学校で見かけることは無くなりました。

フランスやトルコでは公共施設でのニカブ着用は禁止されているはずですが、この後デンマークでもそのような法律ができるのかどうか、とても気になる一件です。
2012年12月07日(金) written by 重千代 from (デンマーク)
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