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ドイツでの人種差別

 ドイツに滞在していて自分が差別されているのでは?と、ふっと思ったことがある方もいるかもしれないと思います。ここドイツでも地域により、その人の教養や考え方により違いはあるものの、外国人の多いこともありドイツではどうしても人種差別は存在します。私たち日本人が差別を感じるのは、きっと母国語でないドイツ語の未熟さのために、不親切に対応されたりするためだったりすることが多いのでは、とも思います。

先日テレビで見たドキュメンタリー映画はドイツの有名なジャーナリストであるヴァルラフ氏が、ソマリアから移民してきたアフロヘアーのアフリカ系黒人にコンタクトレンズやアフロへアーのカツラで見事に変装して、1年もの間ドイツ国内を巡り、一般ドイツ人(主に白人)の人種差別や偏見について調査、隠し収録したもので、悲しいくらい肌の色に対しての嫌悪でした。その黒人の人格なんてどうでもいい、とにかく肌の色が黒いから嫌い。そういう考えを持つ人々ばかりがもちろん本人は知らずに映されていました。大学の卒業論文に、アメリカと日本における人種差別をまとめた筆者にとって、学生時代の調査以来の新鮮なドキュメンタリー企画でした。

ベルリンは外国人が多いので、外国人にとっては比較的住みやすいのですが、地域によって住んでいる人種がまったく違います。
特に、ナチが多いとされる旧東ドイツ地区を回った時は、町内会のお祭りで彼を軽蔑しながら笑う人々、もうちょっとで暴行されそうになるくらい危険な雰囲気もあったり。年配の人たちの偏見もひどく、みんな逃げるようにして彼から離れていく、露骨に馬鹿にして笑ったり、いなくなるとすぐに悪口を言ったりするのです。

旧東ドイツ地区だけでなく、西ドイツでも彼を見て笑うような幼稚なことはしないにしても、差別はあります。ケルンでは、アパートを借りるため、不動産のおばさんとアポをとり、空きアパートを見せてもらう。いたって悪い対応ではなかったが、出来れば貸したくない、それなら空き家にしておく方がまし、と5分後、隠し調査のため、わざと次にアポを入れた隠しカメラを持つヴァルラフ氏の仲間の一人が録画していたのです。また、ディスコには入れてもらえない、飲んでいたバーでは、白人女性と踊ったため一杯目のお酒も飲み終えないうちに追い出されたり。バイエルン州にある外国人局に、パスポートを持たないでヴィザの更新に行くと、警察を呼ぶ、と言われたり、ほとんどの外国人局での対応がひどいことが多いにしても、彼らのドイツ語の言い回しもとても冷たい感じでした。移民である友人が語ることの中に、コンサバなことでも有名なバーデンヴュルテンベルク州では、差別経験は何度もあるが、外国人だからといって外見だけで頭ごなしに差別するのではなく、まずはあなたに出来ることはどんなことか?という知的な態度で接してくることが多いと言います。世界中のテーマである差別問題はドイツではどのように改善されていくのか、今後もさらに注目していこうと感じました。
2011年02月01日(火) written by まっちょ from (ドイツ)
Comment(1)


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この記事へのコメント

通りすがり 2017/09/06/09:28
言葉の問題ではなく、やはり白人至上主義が大きいですよ。
夏季講習へ行って観光してたら差別行為を受けたって聞きましたし。
あと宗教差別もあるし、選民意識もあるでしょう。

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