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休戦中が現実だった

昨今の砲撃事件では驚きの声をもってその衝撃が伝えられている。しかし私は驚き以上に「来るべき時が来た」との印象を再確認したに過ぎない。
 ワーホリ滞在中、かつて南北の唯一の通路だった「自由の橋」に行ったことがあるし、ソウルから車で少々北上すれば境界線を意識せざるを得ない景色に出会ったことがある。そのときも緊張感はあったが、生活との距離も感じた。

 本格的に移住したとき日本大使館からもらった資料の中に有事の際の行動指針や対応も載っていた。観光地ではなくアパート集合地でもない昔ながらの住宅が小さな路地に面して並んでいるような地域では、今は使ってないとしながらも防空壕や弾薬庫、現役の軍の駐屯地が意外と身近に存在する。「休戦中」という言葉がしょっちゅう頭をかすめていた。軍事境界線付近では見張り台から鋭い眼光が見て取れるような沈黙の軍人を見ることがある。国際法というルールと見えない38度という線で「休み」の状態をつくれるのが戦争の不思議を感じさせた。じゃあ地球から戦争もなくすこと、できるはずじゃん。と決着したかったが皮膚の感覚は違う。「この線を越えるのは超えないことより自然なのかも」いつ、何が起きてもおかしくない「休戦中」なのだと、日本では持ったことのない緊張を覚えた。

 韓国の方は休戦後そういう環境下で今があるから、外部からやってきた私が感じる特殊さを感じていないようだ。これまでも海上で南北の小さな小競り合いは一年に数回はあったし、日本のニュースで取り上げられていると「なぜ日本はあんなに大騒ぎするんだ?」と逆に私が質問されたくらいだった。しかし今はまた韓国の状況も変わっているだろう。
 韓国に興味がわいて現地での生活に挑戦するならば、現実は「休戦中」という意味を自分なりに考えておくことをお勧めする。決して日本が安全ではないけれど。

2010年11月30日(火) written by Kao from (韓国)
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