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インテグラツィオン

 最近ドイツのテレビやラジオのニュースで毎日のように聞く言葉といえば、インテグラツィオン、integrationでしょうか。ここではドイツ語を母国語としない移民のドイツ社会への統合政策ということ、これは時々ドイツにおける宗教の問題と平行してよく問題のテーマにもなっています。

ドイツではトルコやアラブ諸国からの移民が多く、彼らのドイツ社会への統合の困難さが度々問題になることが多いのですが、 ドイツ連邦銀行の理事長であるザラツィン氏が彼の出版した現在国内ベストセラーになっている著書の中で、ドイツナチスの歴史からドイツ国民の間では語ることをタブーとされていたユダヤ人に対する差別発言やトルコやアラブなどイスラム圏からの移民は教養レベルが低く、出生率が大変高く社会保障に頼っている、それら移民の知的レベルの低さがドイツの平均的知的レベルを低下させている、などという発言に対しての反論がドイツ全体に広まりました。その一方で彼の発言を支持するドイツ国民も多いのです。その問題発言のために、ドイツのメルケル首相や所属していたSPD社会民主党、メディアから批判され、9月9日に彼は9月末で連邦銀行理事長を辞任することを発表したばかり。

実際、ドイツにはトルコやアラブ諸国からの移民が多く、宗教や生活習慣の違いがあるにも関わらず、彼らの宗教や独自の生活習慣のやり方でドイツで生活していこうとするので、学校などの教育社会でも摩擦や差別が発生することがあります。ベルリンでもトルコやアラブ系が多く住んでいる地域があり、実際にドイツ人家庭では子供の行く学校や地域環境のためにそういった移民が比較的少ない地域に住むことを選んでいることが多いのです。

私もドイツ人ではない家庭で子供二人を育てている立場から人ごとではないなあと日頃から感じています。私の主人はレバノンから25年前に移民してきて、ドイツ語を覚え、ドイツ人でも難しい税理士になるための資格もとり、ドイツ社会統合に成功した人の一人ですが、その一方で、私の知る限りでは、実際にトルコやアラブ系移民はドイツで教育を受けているにも関わらず、ドイツ語も母国語で家庭で話しているトルコ語も曖昧で、資格を取る努力もしないで、失業や社会保障をうけている割合が大変多いのです。子供が一家庭に5人以上など大家族である割合は高く、国が移民家庭に支払う社会保障助成金の負担が多いことも事実。失業家庭を見ていると、車も持っているし、十分な生活費も家賃も負担してもらえる、というようにドイツ政府もかなり寛大です。以前の移民は義務がなかったが、ここ数年前からドイツに移民または結婚して滞在するものは、一定時間のドイツ語インテグラツィオンコースを受講する義務が課せられたので、以前のように滞在30年でドイツ語が話せないというケースはなくなりつつあります。
2010年09月14日(火) written by まっちょ from (ドイツ)
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