通勤用スクーターが並んでいる光景 |
面積36,189 平方メートルしかない土地(日本の九州ほど)に、2300万人もが住んでいる台湾をじっくり観察すれば、意外と面白いことに気づくようになるかもしれません。台湾では日本人からして不思議に思うことが常に起こっています。
1996年に通勤電車が開通するまで、公共交通があまり発達していなかったため、スクーターが主な移動手段となってました。ラッシュアワーになると、信号を待つスクーターの数がものすごく、多いときは50-60台と言っても過言ではありません。
信号を待つスクーターの騎手たち |
信号が青になると一斉に動き出します。その状況を何度もバスから見ている私は、大量の排気ガスを吸って嫌な思いをしながらも、いざ自分がスクーターに乗る側になると、そんなことはおかまいなしで不思議と利用してしまうのです。なぜならやはり、スクーターのほうが早くて便利だからです。
政府や自治体の呼びかけもあって、最近は通勤に地下鉄とバスを使用する人が増えました。しかし、だからといってスクーターの量が減った訳ではありません。
台湾に住んでいる外国人ですら、スクーターを愛用している人が多く、それほど台湾の生活にはスクーターがかかせないのです。
駅構内で配る無料新聞コーナー |
私は通勤でスクーターに乗らず、電車利用が普通になってきました。電車が開通して間もない頃の車内は、広告がほとんど無く、かなり地味でしたが、今は観光スポットの紹介やデパートバーゲンのポスターなどが貼られ、日本のように賑やかになってます。広告があるとついつい目を奪われ、退屈しのぎにはよいのですが、乗車時間が長くなるとそのうち飽きてしまい、携帯電話を弄ったり、駅で配る無料新聞を読んだりしてしまいます。しかし日本のようにタヌキ寝入りする人はいません。
ホームで電車に乗る人たち |
台湾の電車では中国語、台湾語、客家語と英語の4ヶ国語で車内放送が流れます。
ある日、電車に乗り込み、車内放送を聴いていたら、突然耳障りな携帯の着信音が車内中に響き渡り、誰かが大きな声で応答しました。電車で携帯を使用することが迷惑になると感じる台湾人はいったいどれほどいるでしょうか。
終いには携帯で喧嘩までする始末。そうこうしているうちに、違う誰かの携帯が鳴り、今度は出かけたついでにお使いを頼まれるという他愛も無い話がはじまります。マナー以前に、台湾人はよく周りの目も気にせずに私事を大声で話せるんだなぁと思ってしまいます。
私は五年前から台湾で生活し働いていますが、今でも信じられない事や理解できない事がたくさんあります。これらのことを少しずつ語っていけば、台湾の民族性をいろいろな角度から紹介でき、すこしでもリアルな台湾を感じてもらえるのではないかと思っています。