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カナダの『出産事情』

最近、日本のニュースを読んでいて“出産難民”という言葉をよく目にします。産科医・小児科医の不足から起こっている事態だそうですが、“医師不足”に悩んでいる点ではカナダも日本と同じ。今回はそんなカナダの『出産事情』についてお話したいと思います。

まずは、日本とカナダの医療体制の違いについてお話します。日本は毎月『国保』もしくは『社保』を支払い、尚且つ医師に掛かった場合はそこでも受診料を支払うシステムになっていますよね。出産に関しては、現在では数度の無料検診が受けられるそうですが、基本として保険は適用されず、検診・出産は自己負担という日本。それに引き換え、カナダは各州の医療保険料(BC州の場合、個人54ドル、夫婦96ドル、3人以上の世帯108ドル)を毎月ちゃんと支払ってさえいれば、受診料は保険適用内のものであれば無料。なんと、妊婦検診も出産も、出産に伴う入院費も全て無料となります(個室を特別指定した場合は課金されます)。

ここまでは良いのですが、問題もあります。それは前述した“医師不足”。「医療従事者に対する給金が比較的安い」といわれるカナダでは、医師の深刻な“米国流れ”が続いており、カナダのクリニックでは日本と同様、「患者が多すぎて新患を受け入れられない」、「(妊娠時ではなく通常時の)家庭医が見つからない」、「出産担当医が見つからない」等の問題が出てきています。最終的には何とかなるもののようですが、それまでの経緯は妊婦さん達にとってストレスであるに違いありません。

そして、日本とカナダで「決定的」に違うのが“産後の対応”。産後1週間は“至れり尽くせり”の日本の産婦人科病院と違い、カナダの病院では余程の問題がない限り、翌日には赤ちゃん共々、即効で退院となります。お産直後では、育児はおろか、家事なんて出来るわけがありませんよね!そこで大活躍するのが『マタニティー・リーブ(産休)制度』です。

カナダでは「女性は結婚後・出産後も働くのが当たり前」という“夫婦共働き文化”が定着している為、一定期間の必要就業期間を満たしていれば、本人が希望しない限り、日本のように「女性は結婚・妊娠したら、職場から退職を求められる」という事はありません。大抵は1年間の産休が保障されており、もちろん、その期間は全額ではありませんが給金も支払われます。そして、それは夫である男性にも適用され(夫婦同時に産休は取れません)、大抵のカナディアン男性は1週間から1ヶ月(妻が無職の場合、最高35週間)ほどの産休を申請し、産後間もない妻や生まれたばかりの赤ちゃんのケアに当たります。これは女性からすれば、非常に有難い制度ですよね。

普段は「日本の方が制度がいいなあ」と思う事が多々あるカナダですが、出産事情に関しては「少子化を防ぐ為にも、日本はカナダの出産制度を見習った方がいいよ」とつくづく思うのであります。
2008年04月15日(火) written by Saori from (カナダ)
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