PageTopワーホリネット | ワーキングホリデーとは
201707116233

BC州、16年ぶりに政権交代へ

BC州、16年ぶりに政権交代へ
左から「自由党」「NDP」「緑の党」の党首
(C)kelownanow.com

 7月に入りましたね。バンクーバー地方は連日快晴で、気持ちの良い夏日が2週間以上続いています。そして先日の7月1日はカナダ建国記念日『カナダ・デー』だったのですが、今年は建国150周年という記念の年で、各地でイベントが盛り上がりました。そんな記念すべき年に、私が住むブリティッシュ・コロンビア州(以下BC州)で大きな変化がありました。『16年ぶりの政権交代』です。今回はその事についてリポートしたいと思います。

 これまで過去16年間に渡ってBC州の政権を握っていたのはクリスティ・クラークBC州首相率いる『自由党』でした。この16年の間、大まかに言うと自由党は「富裕層を優遇するのに対し中間層を冷遇、そして私立校への予算は拡大するのに対し、公立校への予算は大幅カット。利益優先で自然環境の事も考えていない。」といった政治を推し進め、一般州民の間では「州民の中でも限られている一部の富裕層のみを厚遇し、環境にも優しくない政党」と批判されていました。特に過去数年の彼らの政策は本当に酷いもので、特に環境問題への無関心さ(キンダーモルガン・“オイル”パイプラインの施行推進、リッチモンド−デルタ間に有料橋の新設を計画など)は目に余るものがありました。それでも何故か、16年間も政権を維持し続けてこれたのだから本当に不思議です。そんな自由党に対して批判の声が最高潮に達していた今年の5月9日、4年ぶりとなるBC州議会議員選挙が行われました。


 BC州議会定数87席の内、過半数44議席を獲得した政党が勝者となります。投票結果は自由党43、新民主党(以下NDP)41、緑の党3、という結果に。どの党も議席の過半数に満たなかったこと、そしてこの時点ではまだ不在者投票が未開票だった事もあり、選挙当日に新政党が決まらないという稀に見る接戦となりました。特に今回は3議席を獲得し3番手となった「緑の党」の動向に注目が集まりました。というのも、彼らは獲得数の少なさから単独政権こそ握れないものの、自由党、もしくはNDPに加勢する事で、自由党は46、NDPは44と双方が過半数以上となり、どちらかの政党と共同で政権を握る事が出来るようになるのです。なので「緑の党は自由党かNDP、どちらに付くのか」と話題になりました。

 そして結果ですが、環境問題を重視する「緑の党」が同じく環境問題への対策を公約に挙げていたNDP側に付いた事、6月29日に開かれた議会で自由党少数派政権の不信任案が自由党42、NDP/グリーン党44で可決された事を受け、16年にも及んだ自由党政権に終止符が打たれました。NDPを支持していた私としては、本当に嬉しい限り!自由党が政権を握っていた間は「BC州は第一世界の州とは思えないような不平等政策を取っている」としみじみ思うほどの暗黒時代だったので。しかし、指示していたNDPが勝利したとはいえ、緑の党との共同政権ですし、自由党が残した問題は山積みとなっています。NDP/緑の党の政権がこの先どうなるかまだ分かりませんが、次期BC州首相ジョン・ホーガン氏率いるNDPが掲げる「州民の為に働く政府が政権をとる時だ」という言葉に期待したいと思います。


2017年07月11日(火) written by Saori from (カナダ)
Comment(0)


カナダ関連の記事

この記事へのご感想は以下のフォームからどうぞ

お名前 [必須入力]
コメント [必須入力]
5000文字まで。(コメントにリンクは書き込めません。)
※記事の内容に沿わないコメントはお控えください。
※質問やお問い合わせはお控えください。